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ノコギリクワガタ 2007/06/26(その1)
 ノコギリクワガタのメスがうちの玄関の灯りに飛来し始めたのは3週間程前。
 さらに1週間前の夜には、敷地内のアカメガシワ樹液に大きなオスが来ていた。

 今日は袋がけで野外飼育しているヤママユの世話をしていると、ノコギリクワガタのオスが飛んで来て、私の足下にころがるように着地した。

 なかなかカッコいい。どうやらそのうち飛び立ちそうなので、しばらく待ち構えていると、前翅をもぞもぞさせてから一気に上空へと飛び立っていった。

 うっかりカメラの設定を連続撮影にしていなかったので、残念ながら飛び立った空中での姿が写らなかった。もっとも内蔵ストロボでは連写は無理なのだが。

 外付けストロボを高速連写モードで使うため、積層電池パックも久しぶりに用意してみたが、肝心の積層電池をまだ購入していない。

(EOSキッスデジタルN シグマ50ミリマクロ)新開 孝

ミツノゴミムシダマシ 2007/06/25
今日は日南市方面に行ってみた。

 ある森で朽ち木を起こしてみると、その裏側にキノコがついており、そのすぐそばにミツノゴミムシダマシがいた。体長は16ミリくらい。

 本種の頭部にはカブトムシのような角が生えており、眼の近くに生えている2本の角には茶色の毛束がついている。不思議な雰囲気のする虫で、幼虫も面白い色彩をしているようだ。

 この場所では、テングタケ科のキノコも見つけた。

新開 孝

コウモリガの幼虫 2007/06/24
 うちの敷地内にあるコナラは3本ほどしかないが、樹液を期待して先日、下草刈りを行なった。ここ南九州ではクヌギは多いが、コナラはきわめて
少ない、と感じる。

 そのときに、コウモリガの仕業と思われる繭蓋をいくつか確認できた。

 それで、もっとも細い枝を割り開いてみると、中には坑道があってコウモリガと思われるでっかい幼虫が一匹入っていた。

 うちのアカメガシワから出る樹液も、そのコウモリガ幼虫の仕業であるようだ。彼らは糞をする際、あらかじめ大きくえぐっておいた穴を、糸と木屑で固めた繭蓋で覆い隠す。糞をするときにはこの繭蓋をぶち抜いてから外界へ糞を放り出し、そのとき出来たほころびはすぐにでも修繕するのではないか、と想像する。

 そしていよいよ羽化に際しては、蛹自ら体を捻って動き、この繭蓋から体半身を外に乗り出してから羽化するのであろう。


 コウモリガは、まだまだわからないことだらけの興味深い虫である。

(EOSキッスデジタルN シグマ50ミリマクロ)


 今日も、鈴木、仲瀬さんコンビと午後からは一緒に動いたが、スコールのような雨が昼過ぎころから続いた。
 しかし、その割にはいろいろと面白い虫に出会え、話題が尽きなかった一日だった。


新開 孝

アオカナブン 2007/06/23(その3)
 今朝から昆虫写真家の鈴木知之さんと、ライターの仲瀬葉子さんお二人が、私のうちに遊びに来てくれた。先日、群馬のフィールドを一緒に巡ったお二人だ。

 今日はあまり時間もないので敷地内を少し案内してから、すぐ近くの枡安森林公園に行ってみた。

 鈴木さんが樹液に来ているアオカナブンを見つけてくれた。アオカナブンを見るのはほんとうに久しぶりだ。

 樹液の出ている木は、3人とも名前がわからず、まだ調査中(調べた結果、アキニレだろうと思う)。

 写真下は、アオカナブンを激写するお二人。

 (OLYMPUS E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

ヤハズハエトリ 2007/06/23(その2)
 明るいススキの原で見つけたのが、ヤハズハエトリのオス。

 けっこう綺麗な模様が目をひく。

 ところがメスはまるで別種のようで、実際、オスクロハエトリという種類にそっくりらしい(『日本のクモ』新海栄一 著/文一総合出版)。

(OLYMPUS E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

ヒラタクワガタの交尾行動 2007/06/23(その1)
 昨夜、アカメガシワのうろに棲みついていたヒラタクワガタのオスを捕獲した。昨日アップした写真がそのオス。
 
 採集してしまったが、おそらく他のオスがすでに来ているのではないかと思っていた。

 今日の昼前、アカメガシワを見てみると、やはりうろの中にはあらたなオスが顔を覗かせていた。どうやらヒラタクワガタの個体数は多いようだ。

 さらに時間を置いて見に行くと、スズメバチに囲まれながらも樹液のところで、交尾しているヒラタクワガタのカップルがいた(写真上)。メスは樹液を熱心に舐めている様子。
 昼間にも交尾行動や樹液での摂食行動が見られるとは、少し驚きだ。

 そうこうするうちに、樹液の位置から少し下がった所のうろから、別のオスがひょっこりと顔を出した(写真中、下)。

(OLYMPUS E-300 50-200ミリズーム ストロボFL-50使用)新開 孝

ヒラタクワガタのオス 2007/06/22
 下の子供は小学2年生。どうやらクラスではクワガタムシを飼うのが流行っているようだ。そして戦いをさせるそうだ。

 友達が自慢のクワガタムシを学校に持って来て、さんざん見せびらかされたわが息子も、クワガタムシを捕まえたいと言う。
 うちの庭にはヒラタもコクワもノコギリもいるよ、とは前々から話していたのだが、カードゲームに夢中になっている状況では届いていなかったようだ。

 下の子は、クワガタムシを捕まえるには昆虫ゼリーがいるとか、仕掛けがいるとか、どこかの本や友達の話とかで仕入れた情報をいろいろとのたまう。

 「あのなあ。うちには樹液の出る木があってネ、毎日、クワガタムシが来とるよ。仕掛けなんか工夫しなくても、すぐに捕まえることできるじゃん。昆虫ゼリーは、いらんよ!そんなもん買わなくてもエエの!」

 「ほら、お父さんの『昆虫ある記』、これ見てみな。ヒラタのアベックもいるじゃん。うちの庭に。」
 
 で、結局、今夜のこと。親バカになった私は、継続観察中のヒラタクワガタのオスを採集してしまった。
 言い訳するなら、いずれにせよこのオスは、一度は捕獲してきっちりポートレートを撮影しておこうとは思っていたのである。計らずしも、その作業が前倒しになっただけではある、、、、。子供も「友達に見せたら放してやろうかなあ。」とは言ってくれた。

(写真/EOSキッスデジタルN  シグマ50ミリマクロ)
 新開 孝

梅雨の中休み 2007/06/21(その2)
 今日は日射しが強い、真夏日となった。

 午後から近所の集落を中心にアシナガバチの巣を探し歩いてみた。炎天下を無帽で歩いたのは、まさに無謀でもあったが、暑さそのものは、都会のそれとは違って、清々しさを感じる。

 夏は暑いもんよ!そう素直に言い切れるのが快感だ。

 田植えが終わったばかりの田んぼには、夏空やヒメボタル生息地の林が、涼しげに写り込んでいた。

 (写真/EOSキスデジタルN  シグマ50ミリマクロ)


新開 孝

ヒラタクワガタのメス、そしてオス 2007/06/21
 アカメガシワの樹液を時折、見てみる。するとその度に何かしら面白い現場に出会す。

 今日の夕方。ヒメスズメバチの執拗な攻撃にうんざりしたか、樹液うろの奥に頭を突っ込んでいたヒラタクワガタのメスがひょっこり姿を現した(写真上)。

 ヒラタクワガタのメスはゆっくりと幹の上へと歩き始めた。するとしばらくしてウロの中で休んでいたヒラタクワガタのオスが、急にそわそわしてくるのがよくわかった(写真中)。おそらくメスの臭いを感受したのだろう。

 メスが素通りしてくと、オスは慌ててウロから出て来て、メスが潜り込んだ別のウロへと直行したのであった。

 「オ〜イ!何だよ。知らん顔かよ。それはナイじゃんけ!」


 クワガタムシについて、これまで私の関心度は極めて低かったと言える。それは姿のみの格好良さにはまったく興味が湧かなかったからだ。
 小学館ネオシリーズの図鑑標本の撮影の仕事で、世界各地のクワガタムシを嫌と言うほど見ても、だからといって改めてクワガタムシの魅力を感じることはなかった。

 しかし、ここのところ、ヒラタクワガタの野外定点観察を体験してみると、「ああ、やっぱりクワガタムシもいろいろあるんだなあ〜!?」と実感できて、急に親しみを感じて来た。

 特に個体識別ができて、それで継続観察が可能なら、面白くなるのは当たり前のことだろう。

 (写真/OLYMPUS E-300  50-200ミリズーム ストロボFL-50使用)新開 孝

オオスズメバチのおしっこ 2007/06/19(その3)
 アカメガシワの樹液には、オオスズメバチ女王が入れ替わり立ち代わり、やって来る。

 オオスズメバチは樹液を吸いながらも、数分おきくらいの間隔で、お尻を持ち上げてから、ピューッと勢い良くおしっこを飛ばす。

 昨日はその排尿シーンを撮影しようと粘ってみたが、まったくタイミングが合ず、そのうち激しい雷雨で中断となった。

 今日は天候も良いので、シャッターチャンスはいっぱいあったと思うが、残念ながら室内撮影のためほとんど部屋に籠っていた。

 しかし、気分転換にと一回だけシャッターを切ってみたら、うまくタイミングが合った。昨日は力み過ぎていたのだろう。タイミングを頭で計算して狙い過ぎると、うまくいかないものだ。

 そうはいっても、この手の瞬間撮影はけっこう難しい。
 ビデオ撮影なら何の問題もなくさっさと撮影でき、そこから画像を抜き出すこともできる。

(OLYMPUS E-330  50-200ミリズーム ストロボFL-50使用)新開 孝

アカメガシワ樹液の今日 2007/06/19(その2)
 室内撮影の待機のため、せっかく晴れ間が出たがほとんど外に出る事ができなかった。

 しかし、敷地内のアカメガシワ樹液が気になって、少しだけ見に出てみた。
 するといきなり、ムカデがアカメガシワの幹を這い登っている姿を目にした(写真上)。

 これはどういうことになるか、しばらくその動きを目で追いかけていると、急に方向転換して幹を下り始めた。そして、窪みに達すると躊躇することなくそこへ入っていった(写真中)。

 ところがムカデが穴に入り込んだ瞬間、慌てたように中からヒラタクワガタのオスが出て来たのであった(写真下)。
 このヒラタのオスは、昨日、樹液に来ていた個体ではないかと思う。
ムカデは半身を窪みに突っ込んだまま、どうやら樹液を舐めているのであろう。樹液にはいろいろな昆虫が集まっているから、その昆虫を獲物としてねらっているのかと、最初は思っていたが、動作の様子からして、やはり今日のムカデの食事は樹液だったと推測したい。

 それにしても、ムカデの頭とお尻は良く似ている。ムカデも「マエムキダマシ類」と名付けたいくらいだ。

(OLYMPUS E-330  50-200ミリズーム ストロボFL-50使用)
新開 孝

ササグモとオオモンクロベッコウ 2007/06/19(その1)
 昨日、首筋に痛みを感じて手で払ったところ、ハチに指先を刺されてしまった。首筋はたいしたことなかったが、指先はズキンと痛んだ。早めに水洗いして、抗ヒスタミン剤軟膏を塗るとしばらくして痛みはひいた。

 刺した虫はオオモンクロベッコウで、少し前にカメラで追いかけていた個体であった。何故か私の体につきまとっていたのだが、しばらくして居なくなったと思ったら首筋に止まって噛み付いたというわけだ。

 そして今日の事、仕事部屋の扉を開けて外に出たところで、足下の草に黒い影がぶら下がっているのに気付いた。

 なんとその犠牲者が、オオモンクロベッコウであった。

 ハチを捕らえていたのはササグモのメス。大きな体をしていて貫禄たっぷりだ(写真下)。

 オオモンクロベッコウは、クモ類を専門に狩る、狩りバチだ。その狩りバチがクモに喰われるとは、少し意外な気がした。
 ササグモは待ち伏せ型で獲物を襲うようだが、オオモンクロベッコウの油断を見逃さなかったようだ。

(OLYMPUS E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

アカメガシワの樹液とヒラタクワガタ 2007/06/18(その2)
 敷地の林にはアカメガシワが多い。
今はお株、め株ともに花盛りのころで、花には無数の昆虫たちがやって来ている。残念ながら花は梢の高い場所にあり、長竿の捕虫網で採集でもしないかぎり、昆虫の種類はよくわからない。

 しかし、庭からちょうど目線の高さに見える位置に樹液を出しているアカメガシワが一本あって、ここを訪れる昆虫のにぎわいは毎日楽しめる。

 数で一番多いのはショウジョウバエ類やアリ類だろうが、大きさで目立つところでは、サトキマダラヒカゲがやたらとよく集まっている。
 そのサトキマダラの集団をすぐに蹴散らしてしまうのがオオスズメバチ。
樹液の浸出部位はどうやらピンポイントに限られており、そこを一匹のオオスズメバチが占有してしまうと、他の虫たちは遠巻きに見ていることが多い。オオスズメバチ同士でも順位があるようで、それも体の大きさに比例しているわけでもないようだ。少し小柄でもめっぽう気の強いのがいて、来るたびに長時間、樹液を占有している。

 さて、オオスズメバチの排尿シーンを撮ろうと粘っているうちに、黒っぽい影が参入してきた。ヒラタクワガタのオスである。
 ヒラタはもっぱら夜行性だろうと思い込んでいたが、昼間でもこうして活動するようだ。ヒラタのオスはオオスズメバチの眼をかすめて、樹液の出ている窪みにうまく潜り込んだ。しかし、しばらくしてオオスズメバチがヒラタを煙たがり、大アゴでヒラタを攻撃し始めると、こりゃあかなわん!とばかり這い出て来た(写真上)。

 そこからヒラタのオスはアカメガシワの幹を上部へと登り始め、少し離れた窪みへと潜り込んだ(写真中)。見るからにヒラタの棲みかだ。しかもそこにはコクワガタのオスも同居していたようだ(写真下/画面上部)。

(写真上/OLYMPUS E-330  50-200ミリズーム)
(写真中、下/EOS-5D  400ミリ+中間リング)
新開 孝

田んぼ 2007/06/18(その1)
 一昨日は、近所の田植えがピーク。なかでもうちから見下ろせる谷戸では、9割以上の田んぼで田植えを終えた(写真上/谷戸中心部を流れる用水からポンプで田んぼに水を引き入れる)。
 春先に見たときには谷戸全体のなかで休耕田がかなり多いような感じを受けたが、結局休耕している田んぼはほんの数枚のみしか残らなかった。田んぼの自然を撮影するには、少し出掛ける必要があるかな、と思っていたが、歩いて通える範囲でかなりの面積の田んぼを回れる。

 今日は朝早い時刻に谷戸を少し歩いて、谷戸の再奥まで初めて脚を踏み入れてみた。先日、ヒメボタルの群飛が見られた林床もどんな具合か見ておこうと思ったからだ。
 谷戸を囲う植林地は、そのほとんどがスギだが、林床は下刈りが施されることなく、様々な植物が繁茂して荒れている。林床のなかに入ってヒメボタル幼虫期を観察するにしても、それなりの準備と覚悟が無いと簡単にできるものではないことがよくわかった。しかし、入り込み易い場所もどこかに見つかるはずだ。諦めるのは早い。ヒメボタルの幼虫は、陸生貝を食べるといわれるが、いったいどんな生活を送っているのだろうか。

 さて谷戸の田んぼに水を供給しているのは、2箇所の沢であることもわかった。1箇所は、うちの敷地の東側に接する沢筋から流れ出ており、この水は一旦、町有の池に溜めてあり、そこから水門を通して用水路へと流れ下っていく。

 2箇所目は、今日訪れてみた谷戸再奥部にある沢。ここはヒメボタル発生地の植林の一部で、林床から沢水が流れ出る音がよく聞こえる。しかし、流れそのものはほとんどが植物に覆われており、ほんのわずか見えるだけ(写真中)。

 まだ田植えが遅れている田んぼでは、トラクターが入って泥を撹拌する作業が念入りに行なわれている(写真下)。たいていはアマサギやコサギが獲物をねらっってトラクターの回りに集まっているものだが、今朝は一羽も姿を見なかった。

(OLYMPUS E-330  7−14ミリズーム)

新開 孝
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