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怪しい花に群れる虫たち 2007/06/17(その4)
 ケバいじゃん!の花(その3)には、何か怪しい雰囲気が伴う。

 私はかつてこのような花を見た事がなく、一体どこの国からやって来たのか?と怪訝に感じた。
 ところが、この花にはニホンミツバチがやって来ては、さかんに花弁の外側を舐め回っていくのであった(写真上)。

 不思議に感じるのは、ニホンミツバチは花の中へは決して入っていかないことだった。花の外側、それも特に付け根のあたりに馬乗りになっては、狂ったように表面を舐めていく。最初はどこかに穴が穿ってあって、そこから盗蜜しているのかと思ったが、そうではない。

 しばらくして、今度はキアシナガバチがやって来た。彼女もニホンミツバチとまったく同じ行動をとり、まるで陶酔しているかのように、花から花へと滞在時間が長いのである。

 さらに1時間ほどして、ふたたびこの花のところへ行ってみると(うちのすぐ近くなので)、今度はクロヤマアリ(写真下)や、他のアリなども訪れており、みんな花の外周をさかんに舐めているのであった。

 ケバいじゃん!の花は、繁盛しているキャバレーか!と錯覚しそうになるが、上に揚げたそのお客たちの性は、みなメスである。例外的にクロウリハムシもいたが、性別まではわからなかった。

 ケバいじゃん!の花キャバレーは、ホストバーだったのか!?などと、くだらない冗談を書いている時間があれば、早く花の素性を調べるべきかもしれない。

新開 孝

「ケバい!じゃん」の花 2007/06/17(その3)
 かつて、杉並のある現像所へ通っていた頃、カウンターの応対は概ね、女性社員であった。

 年頃20代前半の若手が多かったが、その子たちの一部はここへ出入りするカメラマンによって、次々と一本釣りのごとく姿を消していった。つまりはカウンター越しに縁談が円滑かつ迅速に成立していった、ということだろうか。顔ぶれは憶え切れないほど変遷が激しかった。

 ある日カウンターの向こうで、顔なじみの熟練の先輩に向かって、けっこうモテそうな新米社員が「先輩、今日の化粧、超ケバくなあい!?」とおそろしい発言をしている場面に出会した。ありゃりゃ、と内心は思いつつも、私はその会話を聞いてないふりを装いながら、熟練先輩の方に現像出しを告げた。

 で、そういう場面をいきなり思い出したのも、今日の花を見た瞬間のことであった。これは、たしかにケバいかもしれん!!日本の里山風景には、間違いなく似合わない。

 少し調べてみたが、この花の名前は判明していない。ウバユリなんかを想像するが、超ケバいから、、、、、。園芸品種が紛れ込んだのか?狭い範囲だが群落となっており、どうも残土廃棄に伴う繁殖の可能性が高いと見えた。


(本種は、ヒガンバナ科のアルストロエメリア属の植物で、アルストロメリアという名で園芸品種が多数出回っているようだ。原産地は南米で約50種が分布。
 メールで教えていただいた方に感謝致します。)
新開 孝

サクラコガネ、登場 2007/06/17(その2)
 一週間程前から、コガネムシの姿がめっきり減ってきた。彼らは草木の種類を問わずあらゆる場所でもっとも目につく虫であったが、このところちらほら、としか見なくなった(写真上)。

 それとは逆に、先週あたりから目につくようになったのが、サクラコガネである(写真中)。本種はしかし、そのほとんどがクリの梢に集中している。

 しかも、サクラコガネは気が弱いのか、警戒心が強いのか、葉っぱを脚で繋ぎ止めて、自分の体を隠すようにして、クリの葉を暴食する(写真下)。
 少しでも葉っぱに振動を与えると、彼らは動作をピタリと止めるか、あるいは
地面へと捨て身の落下行動をとる。

 朝からときおり断続的に雨が降る。雨の止んだ合間には、日射しはないものの、けっこう明るく、雲のフィルターの効いた柔らかい光の下ではストロボを使う必要はない。接写倍率にもよるが、倍率0.5倍くらいまでは自然光でうまく撮影できる。


(E-300  50ミリマクロ)新開 孝

ユズリハの黒猫ちゃん 2007/06/17(その1)
 庭のユズリハの葉っぱに何やら枯れ葉が、、、と、もう少しで見過ごしてしまいそうになった(写真上)。

 その枯れ葉モドキに近づいてみれば、なんと黒猫顔(写真中)。
 ヒゲまであるよ!

 お尻には、尻尾までアルよ!!(写真下)。


 本種はカギバガ科のアカウラカギバ。武蔵野でよく見かけたアシベニカギバの幼虫に似ている。アシベニカギバはガマズミに多かったが、アカウラカギバはユズリハ専門のようだ。

(E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
新開 孝

『どこにいるの?シャクトリムシ』ポプラ社 2007/06/15(その2)
 本日、ポプラ社の写真絵本『どこにいるの?シャクトリムシ』の見本が届いた。

 35頁、1200円(税別)で、「ふしぎいっぱい 写真絵本」シリーズの8番目。去年出した『うんちレストラン』と同じシリーズとなる。

 嵌った、という表現を使うならば、私がシャクトリムシに嵌った時期は、16年前、1991年の冬である。まさにカギシロスジアオシャク幼虫を撮影したときであった。

 カギシロスジアオシャク幼虫の冬芽擬態が、春の芽吹きに同調して見事な変身を遂げる様子に驚いた、あのときの感動は今でも忘れない。そして1999年、『珍虫の愛虫記』という小冊子で、カギシロスジアオシャクの写真と文章を載せたことも懐かしい。
(「珍虫の愛虫記」はまだ在庫があって、アマゾンでネット購入できるようだ)

 カギシロスジアオシャクを撮影したことがきっかけで、シャクガ類の多様な世界を私なりに探検してみたわけであった。
 そのワクワクするような探検気分を思い出しながら、本書『どこにいるの?シャクトリムシ』の構成案を一晩で書き上げた。

 さて、先日発売となったばかりの福音館書店『虫のこどもたち』は、虫全般の幼虫を扱っているので、そこでもカギシロスジアオシャク幼虫と成虫が登場している。テーマ的には広い、狭いという違いはあるが、『どこにいるの?シャクトリムシ』ポプラ社と併せて読んでもらえれば、つながりを感じ取ってもらえるはずだ。

 
 新開 孝

雨の中のヤマトシジミ 2007/06/15(その1)
 今日も雨は降ったり止んだり。雨が止んだ合間に庭に出てみると、交尾しているヤマトシジミを見つけた(写真上)。画面の左がメス。

 こうして見てみると、メスのほうが翅も傷んでいない、羽化して日も浅い個体であることがわかる。一方、オスは成虫になってからかなりの日数、あらゆる危険をかいくぐって生き延びてきたのだろう。

 撮影しているうちに、また雨が降り出してきた。雨滴を翅に受けて、交尾カップルは足場を失いそうになった(写真中)。どんどん雨脚が強くなり始め、傘をさした私も、Tシャツの腰あたりがびしょ濡れとなる。カップルに傘をさしかけてやりたいところだが、それでは観察にならない。
 
 そのうちにオスの方が足場を失い、宙づりの状態になってしまった(写真下)。しかし、メスは踏ん張る。若くて体も大きいぶん、メスは強い。
 そうこうしているうちに、なんとかオスも脚を踏ん張ることができた。
 さらに雨は激しく降り続けるが、交尾カップルはこの草うらで雨宿りを決め込んだようだ。

(E-300  50ミリマクロ)
新開 孝

カタツムリの脱糞 2007/06/14(その3)
 宮崎に普通にいるカタツムリが、セトウチマイマイなのかどうか、そこのところはまだよくわからない。

 ツクシマイマイというのは、九州北部から山口県に分布しているようだし。

 ともかくも、うちの庭でよく見かけるカタツムリは、東京の清瀬に普通にいた、ミスジマイマイやヒダリマキマイマイでないことだけは、間違いないだろう。


 で、庭の中にあるコンクリート塀にいつもいるカタツムリが、目の前で糞をし始めた。

 これがなかなか作法もあって、見ていて楽しい。

 きちんと折り畳んでから、そっと置き去りにするかのようだ。

 (E-300 マクロ50ミリ)
新開 孝

土用芽(どようめ) 2007/06/14(その2)
 クヌギやコナラで、明るい色の若芽が目立つ。この時期の萌芽を土用芽というが、若芽だけを眺めていると、春に戻ったような気分になる。

 写真上がクヌギで、下はコナラ。

 ちょうど土用芽の若葉が展開するころ、ヒメクロオトシブミの2化目の成虫たちが姿を現す。早春、ゆりかごに産み付けられた卵から育ったヒメクロオトシブミたちだ。そして彼らは、ふたたび若葉を巻いてゆりかごを作り、産卵する。

(E-300 50ミリマクロ)新開 孝

梅雨 2007/06/14(その1)
 朝から降ったり止んだりだったが、概ね雨の一日だったと言える。
 梅雨入り宣言後、湿度ももっとも高かったように感じる。

 我が家は中古住宅を土地ごと購入したのだが、築10年の建物に関して、ほとんど不満を感じるところはなかった。
 しかし、一点だけ不可解なことがあった。それは、屋根に雨樋が無い造りであったことだ。こういう造りは、最近の住宅建築ではかなり珍しいのではないか、と思う。

 雨だれは、地面に深く敷き詰めた砂利石を通って地下に吸い込まれる、という造りなのだ。ところが敷地の一部では地面に染込んだ雨水のため、粘土層が流出してしまい、わずかに地盤沈下を起こしていることがわかった。このことに気付いたのは、物件購入後、リフォームの工事が入ってからだった。

 実際、雨が激しく降ると、地盤沈下の部分には大きな水たまりができてしまう。
このまま放っておくわけにもいかない、という危機感を抱いたのは言うまでもない。
 そこで先月、雨樋を取り付ける工事を行なった。できるだけ安く上がる工法で、なおかつ雨水の排水はきちんと機能するように、という注文を付けた。
 その結果どうやら、雨樋の排水は順調のようで、雨が降るたびに、あちこちの排水経路を観察しているが、深刻だった地盤沈下の進行もこれで食い止めることができそうだ。工事を請け負った業者の方も、その後の様子を見に来てくれた。

 
 さて、物件の購入当初、地盤沈下の問題に私ha
気付かなかった。
 それは、物件の下見をしたときに、道路に突き出た太い塩ビパイプの役割を問い質したところ、パイプは浄化槽からの排水パイプだとの、説明を売り主から受けていたのであった。
 ところが、ごく最近になってわかったことだが、浄化槽の排水パイプは別の場所で地下に埋設されており、目視できる構造ではなかった。
 浄化槽の排水目的と説明を受けたその太い塩ビパイプとは、じつは、深刻な地盤沈下を引き起こしていた雨だれを、なんとか地下パイプに誘導し、道路の側溝へと排水する目的で設えたものであることが、雨樋工事を請け負った業者によりはっきりと判明したのであった。
 

 一旦、仕組みがわかってしまうと、何もかもがよく理解できたが、入居後しばらくは、庭の一部の水溜まり、縁側の下の陥没、そして、でっかくて奇妙な排水パイプの関係が全く見えなかった。初めて家を購入するという経験のなかで、かなり慎重に進めたつもりなのだが、所詮は素人。
 地盤沈下という、そのような深刻な事態に対処した売り主自身が、記憶を取り違えるなどということは、まず考えられない。売却に際して、物件の不備をきちんと説明する売り主も、そうそうはいないだろうけど。逆の立場になって考えてみれば、わからないでもない。

 土地や建物、環境などなど、あまりにも私の望み通りとなり過ぎていることに、一抹の不安もあった。だから、きっと何か一つや二つの欠陥がいづれ発覚するだろうとは、覚悟していたことではある。覚悟の上だったし、まあ、土地と建物を所有するとは、こういう様々な問題に向き合うことなのだと、改めて思うしだい。

 庭の片隅では、ガクアジサイとアジサイが花を咲かせている。いったいいつ頃に植えられたものかは知らない。植えた方が誰だったかなど、もう今更どうでもいいことだろう。
 このアジサイを含め、敷地の様々な植え込みを手入れしていかねばならないのは、私と私の家族なのだ。

 新開 孝

ウンモンスズメ 2007/06/13

 昨夜、玄関の灯りに飛来したウンモンスズメが、鉢植えのアボガドに止まっていた(写真上)。

 体全体が迷彩模様だが、息を吹きかけたり、そっと指で触れたりするとウンモンスズメは一瞬、翅を拡げる。すると後ろ翅の赤い模様が目立つ(写真下)。

 ただし、後ろ翅を見せびらかすのはほんの一瞬である。撮影しようと構えていても、シャッターチャンスを捉えるには苦労する。だから今日の写真も後ろ翅が全開になってはおらず、閉じる寸前となってしまった。
 本種は、東京の清瀬市でも撮影し、この「ある記」でも紹介したことがある。

(EOS-5D シグマ50ミリマクロ)

 修理に出していたEOS-5Dが、東京に行っている間にうちに届いていた。

 修理結果を読んでみると、撮像素子前のローパスフィルターに傷がついており、そのためローパスフィルターを交換した、と書かれてあった。
 傷がついた経緯が全くわからないのだが、以前行なったCanonサービスセンターでのクリーニング結果では、落ちない汚れがある、との報告であった。

 ともあれ、修理代金の請求額は送料の1500円(税別)のみで、部品代も工賃も無償であった。ローパスフィルターを交換などということにでもなれば、それなりの修理代金を覚悟していたが、ホッとした。
 修理に掛かった日数はちょうど1週間であった。ちなみに私はCPS会員を今年から退会したのだが、例えCPS会員でも修理の際の部品代だけは支払う必要がある。
新開 孝

『虫のこどもたち』福音館書店 2007/06/12
 昨日、出版社で『虫のこどもたち』の見本をいただいた。
96頁で1785円(税込み)。発売は明日の13日となるそうだ。

 書店で見かけたら、是非、手に取ってみて下さい。じっくり楽しみたい方はご購入ください。新開 孝

キバネツノトンボ、ふたたび 2007/06/11
 今朝は小雨模様となった。昨夜は池袋近くのホテルに投宿。久しぶりに西武池袋線の電車に乗り、池袋で山手線に乗り換え。山手線ではプラットフォームをうっかり間違えてしまった。体はすでに田舎モードにすっかり染まったか、それとも単に老化なのか、、、、。

 今日は都内で打ち合わせや出版本の打ち上げのため、ゆっくりフィールドを巡る時間はない。しかも生憎の雨。そこで昨日のキバネツノトンボの追加写真を紹介してみたい。

 キバネツノトンボの大きさは、こうして人差し指に乗せてみれば、少しはわかりやすいと思う(写真上)。日本産ツノトンボ類のなかで、一番小柄なのがキバネツノトンボ。

 昨日の水上町の草原では、オスの数とメスの数はほぼ同じくらいという感触を得た。オスではすでに翅が傷んでいるものもいたが、メスは新しい個体ばかりで、お腹が大きいものが目立つ。そろそろ産卵しているだろうかと探してみれば、やっと1卵塊だけが見つかった(写真中)。

 この卵塊をよく見れば、産卵されたばかりの新しいものだとわかる。どうやらキバネツノトンボの産卵期はこれから、というところのようだ。

 さて、キバネツノトンボの棲息する草地には、アリスアブも多く見られた(写真下)。本種はトビイロケアリの巣内で幼虫が育つというたいへん変わった生活を送る。
 クロヤマアリの巣で幼虫が育つキンアリスアブという種類もここには棲息しているのだが、昨日は一匹も見ることができなかった。

(E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)

新開 孝

キバネツノトンボ 2007/06/10
今朝は雷雨となり、激しい雨のなか大間々のホテルを出た。

 赤城高原へと向かい、さらに水上に着く頃には、雨脚も弱まってきた。今ならキバネツノトンボの発生期だろうということで、私が数年前に見つけたフィールドを訪れてみた。

 草原を歩いてみると、さっそくキバネツノトンボのオスが見つかった。しばらくするとメスも見つかり(写真上)、しだいに多くの個体がいることがわかった。陽射しが出始めて、気温が上がると活発に飛翔するオスもいた。

 オスはおしりに写真中のような突起を持っているので、すぐにわかる。

 群馬県、水上町にはキバネツノトンボの発生地が小規模ながら点在している。私は偶然にも非常に個体密度の高い発生地を見つけ、以前にはよく通ったものだ。

 さて、このフィールドではヤマビルが多く、私も寸での所で吸血されそうになった経験がある。それで同行の鈴木さんと仲瀬さんには、くれぐれも注意するように言ってたのだが、、、、。

 車に乗ってしばらく移動しているうちに、助手席に座っていた仲瀬さんが、急に騒ぎ出した。何事かと運転席の鈴木さんを見れば、ズボンの上をヤマビルが歩いていた。車を止めて確認してみれば、鈴木さんの体には次々とヤマビルが見つかる。結局、5匹ものヤマビルが取り付いていたのであった。早く気付いたので、 幸いにも吸血されずに済んだ。

 ちなみに鈴木さんによれば、ヤマビル防除にはタバコの葉を靴下にすりこんでおけば、効果絶大ということだった。

(写真上/E-330  魚眼8ミリ)
(写真中、下/E-500 35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

おにぎり「ソースカツ」 2007/06/09(その2)
 群馬県、大間々市で滞在しているホテル近くのコンビニで夜食を探していたら、「ソースカツ」という新商品を発見。

 群馬といえば、ソースカツ丼だが、それがおにぎりになったというわけだ。店員に聞いてみると先週発売されたばかりらしい。関東限定と書かれてある。

 肝心の味のほうだが、すこし辛い味付けだ。やはり、ソースカツ丼は丼で食べるのが正解のようだ。新開 孝
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