| 山之口町のコガタスズメバチ撮影は、女王の長時間休憩に根負けして、午後3時に打ち切った。今日はもう仕事をしないのだろなあ。
そこでカレーパンをかじりながら、近くの山間を適当に探索してみた。
奥に照葉樹林に覆われた山が見え、そこが気になって谷間を進めば、石橋の所へとたどり着いた(写真上)。
なんだろうか、この橋は。道をまたぐ橋とは。昔は川だったのか? 橋の上には道らしきものが見当たらないほど草が生えている。そして、橋の向こうにはクヌギ林が見えており、なんだか別世界へ迷い込んだ気がした。
木漏れ日の中、1匹のカワトンボが、私を迎えてくれた(写真中)。
さらに小道を奥に進むとタバコ畑や荒れ地の場所へと出て、ここが終点かと思いきや、さらに薄暗い林の小道へと続いている。
その暗がりに入ってみると、神社があり、スダジイの巨木があった(写真下)。 スダジイの根元に立ってみると、じつに香しい。ふと脇を見れば、オガタマノキが植えられていた。
神社の横には川が流れており、水はたいへん澄んでいる。何か小魚が無数に泳ぎ、木漏れ日や、青葉の水面への映り込みが目に鮮やかだ。まさに静寂そのもの。
山も木も、川も、そう特別な光景ではないが、ずっと長い間遠ざかっていた風景だと感じる。
やはり、ここは九州であるのだな、とじわじわ実感が湧いてくるひとときであった。
明日は、仕事の都合で熊本へ遠出しなければならない。 コガタスズメバチの巣も、その間には外被が拡張して徳利状にまで発展してしまうだろう。そう思って今日は、かなり粘ってみたのだが、あまり成果はなかった。
| |