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リモートケーブル 2007/05/16(その3)
 コガタスズメバチの巣作りを撮影するにあたって、巣に近接するには限界がある。その理由の一つは、巣の位置が地面から2メートル近くもあることと、カメラを構えた私が近寄れば、コガタスズメバチ女王が警戒して通常の行動をとれないからである。

 そこで、カメラだけを巣の近くに設置して、リモートで撮影する方法を考えてみた。昆虫写真で遠隔撮影することはあまり多くはないし、特にデジタルになってからの試みは初めてである。

 Canonキッスデジタル用の市販リモートケーブルは60センチしかないので、今日は120センチのケーブルを作ってみた(写真)。ちょうど午後から雨になったので、明日の撮影に備えての準備作業に専念できた。
EOS-5Dならば、変換アダプターを使えば、10メートルの延長ケーブルが使用可能だが、内蔵ストロボが無いことなど、リモコン撮影に使用するには不利な面が大きい。
 
 (写真/EOS-5D  シグマ50ミリマクロ)新開 孝

コガタスズメバチ女王、ふたたび 2007/05/16(その2)
 昨日、見つけたコガタスズメバチ女王。今日はどのくらい巣を拡張できただろうか?それを見たくて今朝も隣町まで出掛けてみた。

 巣室は一個増えて9室になり、外被も1センチ幅くらい伸びている。今回は巣作り作業の様子をもう少しアップで撮影してみた(写真上)。巣を離れて巣材を持ち帰るまでの時間は、最短で 3分、長くても6分程度だ。どこか巣材集めの決まった場所があるのだろう。飛び立つときには毎回、同じ方角へと一直線に飛び去っていく。

 気温が低いせいか、ときどき作業を休む時間が多く、しかも長い。休憩するときは、巣の支柱に巻き付くような格好でじっとしている(写真中)。

 一方、2メートル程離れた場所で営巣している女王の方は、すでに外被が徳利状まで完成しており、巣室内部の状況を観察することができない(写真下)。

 今日は撮影待機中に近所の農家のおばあさんが、二人そばを通過した。私が挨拶すると、一人の方は「何しちょうるね?」と立ち止まった。
 そこで私は昆虫を撮影している説明をしたのだが、さすがにスズメバチの巣作りを撮っているとは言えなかった。相手がどういう考えの方か、こういう場合は慎重にしないと、明日には巣が破壊されてしまうのは火を見るより明らかだ。

 コガタスズメバチは、スズメバチのなかでも比較的、おとなしい性格だ。巣場所を人の側が認識して、そっとしておけばそれほど問題は生じないはずだが、世間一般の方々はスズメバチと聞いただけで、すぐに駆除することしか考えないから、今回の場所もかなり危ういと思える。

 そこで、うちにまで引っ越しを願いたいのだが、そういう作戦も不可能ではない。それを実行すべきかどうか、思案の最中である。

(写真/E-330 50ー200ミリズーム+クローズアップレンズ)

新開 孝

交尾するオオクモヘリカメムシ 2007/05/16(その1)
 昨日、見つけたコガタスズメバチの巣場所へと今日も出掛けてみた。その場所は隣町の山之口町だが、うちから車で10分程度でルートは一本道。巣作りの様子を撮影するために通うにも、ちょうどいい距離かもしれない。もっとも、うちの敷地内であれば、途中で巣を破壊される危険もないし、時間も節約できるのだが、、、、。

 今朝は少し気温が低いためか、コガタスズメバチの女王はときどき休止しては、巣の外被拡張工事を続ける。その休止時間が長いときには、あちこちに目を移してみる。すると、イヌビワの葉上でオオクモヘリカメムシの番が交尾していた。すぐ足下だ(写真上)。

 本種はネムノキについて成長するが、いろいろな農作物でも汁を吸うので、害虫として農家の敵でもある。

(E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
 新開 孝

クロセセリとハナミョウガ 2007/05/15(その2)
 宮崎市内からの帰り道、山道の途中で車を止めて薄暗い照葉樹林の脇道に入ってみた。

 すると林の中でスポット光を受けたハナミョウガを見つけた(写真上)。
 しかもそのハナミョウガの花で吸蜜しているクロセセリまでいた。残念ながら吸蜜している姿を撮影することはできなかったが、クロセセリは狭い範囲で飛び交い、占有行動をとり続けていた。めまぐるしく飛び回ったかと思えば、林の木漏れ日の当たる決まった場所へ降りては、翅を広げて日光浴するのであった(写真中)。

 気忙しく、何度も同じ空間を飛び回るけれど、決して林の外へとは飛び出していかない(写真下)。
 ちなみにクロセセリ幼虫の食草は、ミョウガ、ハナミョウガなどの葉っぱである。

(写真/E-330  50ー200ミリズーム)新開 孝

コガタスズメバチの女王 2007/05/15
 今朝は、私の両親をJR宮崎駅まで見送り、そのあと宮崎県内では宮崎市内にしかない某都市銀行の支店に、通帳の住所変更手続きに立ち寄った。 
 どうやら銀行カードを更新すれば、コンビニのATMで手続き料無しでお金の出し入れができるらしい。宮崎に移転したからには、いづれ都市銀行の口座を解約してしまおうかと思っていたが、にっこり笑顔の説明を受けて考え直した。

 さて、三股町への帰り道、前々から気になっていた何カ所かで撮影してみた。
するとコガタスズメバチの女王が巣作りをしている最中の現場を見つけた(写真上)。

 巣室8個には、卵がそれぞれに一個づつ産みつけられており、女王バチは巣室を被う外被を増築するのに忙しい(写真中)。

 この場所は道沿いの崖ではあるが、車や人の通過はきわめて少ない。
そのせいか、2メートルほど離れた場所でも初期巣が見つかった(写真下)。



(写真上/E-330  50−200ミリズーム)
(写真中/E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
(写真下/E-330  魚眼8ミリ)新開 孝

ノアザミの花 2007/05/14(その3)
 近所の田んぼの畦道にはノアザミがたいへん多い。うちの庭にもひょっこりと花を咲かせているくらいだ。

 畦道を歩きながら、ノアザミの蕾みや開花の段階をいろいろ撮影してみた。そのうちの4ステージが今日の写真。
 ひとつの蕾みを定点で細かく撮影して、これを動画に編集すれば、きっと面白い映像になるだろう。

(EOSキッスデジタルN  シグマ50ミリマクロ)新開 孝

ラミーカミキリ 2007/05/14(その2)
 ラミーカミキリは先月の末ころから、カラムシの葉上でよく見かけるようになった。

 けっこう朝早くから活動しているようだ。午前7時ころの朝日を浴びながら、カラムシの葉を食べている。

 (EOSキッスデジタルN  シグマ50ミリマクロ)新開 孝

ナツグミ 2007/05/14(その1)
 うちのすぐ側の畑にナツグミの大きな木が一本ある。花が咲いている頃は、無数の昆虫たちが来ていた。しかし、結実後はほとんど虫の姿を見ない。

 ナツグミの持ち主であるKさんとは、先月、引っ越してからすぐにお知り合いになれた。

 「熟したら好きなだけ食べていいから」

 なんとも嬉しいお言葉!そろそろ色付き始めたが、食べごろはまだ一週間ほど先のようだ。

(EOS-5D  100ミリマクロ)新開 孝

クヌギ林の再生 2007/05/13
 うちの南側の斜面林はクヌギ林だが、しかしメダケにびっしりと占領され、クヌギはまさに喘いでいる状況といえる。

 季節もかなり進行してしまったが、今日は5本のクヌギの下刈りを試みてみた。まずは伐採竹を運び出すルートを確保すべく、竹切りノコで手作業をし、作業スペースができたところで、チェンソーに持ち替えて次々とメダケを切り倒していった。

 5本のクヌギのうち2本はかなり大きく、私が抱きついても手が届かないほどの胴回りがある。見上げれば、貫禄たっぷりのクヌギだ。

 クヌギ林は急勾配の斜面林だが、中に潜り込んでみると、中央あたりに平らな部分があることがわかった。今日は無理だったが、少なくともその平地までをメダケの薄暗い環境から、早く解放してやりたいと思った。

 そんな作業をしている傍らでは、私の父親が家庭菜園に畝を4条作ってくれて、そこにナス、ミニトマト、キュウリ、トウガラシ、エダマメなどの苗や種子を植えてくれた。


 『自治会の草刈作業に参加』

 前にも書いたが、うちは今住んでいる地区の自治会に加入している。その自治会の年間行事には、清掃作業や草刈作業があって、今日は集落センターでの草刈作業に行ってみた。作業は午前6時開始だ。私は鎌を持ってくるように言われていたので、草刈り機の入れない、植え込みの下などを這いずるようにして、丁寧に草取りをした。

 けっこう汗だくになって草刈りをしているうちに、成果もあった。それは集落センターの裏にオガタマの木を見つけたことと、そこに並んでサンゴジュとクロガネモチの木まであったことだ。

 うちの庭に飛来するミカドアゲハの一番近い発生地は、どうやらこの集落センターのようだ。そしてサンゴジュの花蕾にはそのうち、サツマシジミの幼虫が見つかる時期になると思われる。

 クロガネモチには、シンジュサンの幼虫がいずれ現れるだろう。


 午前6時から、1時間草刈をし、朝食後にはうちの林でメダケ刈り。そのような肉体労働で今日一日は終わった。
新開 孝

トラクターの威力 2007/05/12
 先月、お知り合いになれたKさんは、うちのご近所の方。とは言っても数百メートル以上は離れている。昨年、定年退職を迎えたばかりという。

 「畑でも作るのなら、いつでも相談にのるから」ということで、さっそく今日は家庭菜園の場所をトラクターで耕してもらった。

 「ええ、これだけ!?」とトラクターを乗り付けてから驚いた様子のKさん。

 耕す作業は、あっと言う間に終わってしまった。さすがにトラクターの威力は凄い。これを人力でやっていたら、丸一日はかかるだろう。

 昨日から新居を訪れてくれた私の親父さんは、さっそく畝を作ってくれた。

 「ここまで来て、畑いじりするとは思わんかったのう」
 
 「アハハ、帰りは別府の温泉にでもつかってよ」


 今日の私は、半日、ビデオの室内撮影に掛かりきりであった。新開 孝

ハラアカコブカミキリ 2007/05/11(その2)

 山都町のクヌギ林ではあちこちで椎茸栽培用のホダ木が積まれており、そういう場所では、ハラアカコブカミキリをたいへん多く見ることができる(写真上)。

 クヌギ林が綺麗に管理されているのは、ほとんどが椎茸栽培に利用されているためだが、このホダ木(シイタケ原木)の害虫がハラアカコブカミキリというわけだ。

 ハラアカコブカミキリは1970年以前には、対馬にしか分布していなかったが、シイタケ原木の移動によって、九州全土はおろか、東は埼玉県まで広く見つかるようになっているようだ。

 しかし、私は野外で本種を見るのは初めてで、かなりびっくりした。
ただ、よーく考えてみれば、日本のカミキリムシのほとんど全種の標本撮影をした経験があるわけだから、少なくとも一度は標本で見ているはずである。そう思えばたしかにどこか懐かしい気もする。

(写真/E-500 35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

熊本県山都町(やまとちょう) 2007/05/11
 今日は熊本県山都町に出掛けた。往路はうちから3時間半かかる。復路は3時間だった。

 特に山都町の蘇陽という所は、九州のヘソと呼ばれているようだ。ここを訪れた理由は、春の季節を遡るためだ。三股町の辺りではもう初夏に近い様子になってしまった。引っ越して間もなくて慌ただしく、春の撮影がほとんどできなかったが、それが少し心残りだった。来年があるさ、と言いたいところだが、今進行している仕事の関係もあって、そんな呑気なことも言っておられない。

 山都町に入ってみると、そこかしこに手入れの行き届いたクヌギ林と田畑がほどよく配置された美しい風景が続く(写真上)。感心しながら運転していくが、今日は時間がない。じっくり風景写真を撮る暇はない。
 
 それにしてもクヌギの若い林が多い(写真中)。それに混じってナラガシワが目立ち、コナラはたいへん少ない(写真下)。

新開 孝

キリギリス幼虫とキキョウソウ 2007/05/10(その4)
 昨日同様、本日も熊本へ出掛けることができず、午前中は飼育中の虫の世話に時間を割くことになってしまった。それにしても、今日は朝から北風がたいへん強い。そのせいで日なたはかなり暑いが、日陰に入るとひんやりするほど温度差が激しい一日だった。

 昨日、うちのすぐ横の畦道でトノサマバッタの幼虫を多数見たが、今日もその畦道をゆっくり歩いてみた。昨日にも気付いていたのだが、トノサマバッタと同じくらいか、あるいはそれよりも多いのがキリギリスの幼虫(写真上)。

 風があまりにも強いので撮影は諦めていたが、ふと足下にキキョウソウが数株あった。カラムシの群落の陰でひっそりと花を咲かせている(写真下)。
 キキョウソウも北アメリカ原産の帰化植物ということだ。キキョウの花に良く似ているので、この花の名前は憶えやすい。

(写真/EOSキッスデジタルN  シグマ50ミリマクロ)新開 孝

サツマヒメカマキリ、羽化する@ 2007/05/10(その3)
 先月、近所の神社やうちの庭などで、サツマヒメカマキリと思われる幼虫を次々と見つけた(4月22、23、28 日)。

 そのうち2匹をこれまで飼育していたが、数日前から餌を与えても食べなくなっていたのでそろそろかと思っていたら、昨晩から今朝にかけて、2匹が立て続けに羽化した。

 せっかく成虫を目の前にしたものの、サツマヒメカマキリとヒメカマキリについては、その区別点がはっきりとしない。生態面からでは、幼虫越冬するものがサツマヒメカマキリで、卵のう越冬するのがヒメカマキリだとも言われている。
 ヒメカマキリについては、おそらく日本海側での北限あたりと思われる新潟県の黒川村で、私は冬にヒメカマキリの卵のうをマツの樹皮裏から見つけたことがある。
 一方、南四国では愛媛県の明浜町でサツマヒメカマキリと思われる越冬幼虫を撮影したこともある。
 その当時は、サツマヒメカマキリのことをよく知らず、ヒメカマキリと混同していたのだが、越冬タイプが違うのはやはりおかしいのでは、と思い始めたのであった。
 
 しかし、同種であっても地域によって越冬ステージが違う昆虫も珍しくはないから、いったい真相はどういうことなのか、早くはっきりさせたいものだと思う。

 
 サツマヒメカマキリは、和歌山県の太平洋側から四国南部、そして宮崎、鹿児島にかけて分布しているようだが、ヒメカマキリとの区別が判然としないのでは、分布の知見もどこまでが正しいのか疑問だとは思う。

(写真/E-500 35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝
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