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宮崎県総合博物館 2007/04/30
 今日は宮崎市内から三股町のうちへの移動のあとは、草刈り作業に追われていた。そこで、昨日、訪れた宮崎県総合博物館のことを少し書いてみよう。

 当博物館は、一階が自然、二階が歴史の展示になっており、昨日は一階のみを観てみた。
 展示コースはくねくねと迷路のように続くが、いろいろと工夫された展示はけっこう楽しめる。数カ所に照明を落とした映像ブースがある。

 写真中は、透明ガラスに並んだチョウの標本で、翅の表裏が見える。

 写真下は、クスサンの標本。ある方から事前に聞いていたのだが、たしかにこのクスサンはとても大きい。宮崎産のクスサンがどれも大きいサイズなのかどうか、私も気をつけて見てみたい。
 昆虫標本では、直翅類の標本がけっこう綺麗で、充実していた。チョウもやはり多く、ゼフの展示が充実していた。九州のゼフはについて、生物地理的な観点からの展示はかなり掘り下げてあった。

 サツマヒメカマキリの標本は無く、ヒメカマキリの標本しかなかった。少し気になる。オオカマキリモドキの標本ラベルには採集日が6月とあった。四国では8月が発生ピークだったが、カマキリモドキ類の発生時期は、けっこう幅があるものだから、発生時期をあまり狭く限定することもない。

 『昨日のハナムグリ写真の種名』

 昨日、わからなかったハナムグリ2種の種名をここに掲げておき、昨日のアップ記事は訂正しておきたい。
 
 ハッサクミカンの花に来ていたのはホソコハナムグリ。

 エノキの葉上にいたのは、ジュウシチホシハナムグリ。本種には黒色型もいる。
 

 新開 孝

神宮の昆虫ー3 2007/04/29(その4)
 ハッサクミカンの花には様々な昆虫が訪れていたが、ハナムグリのなかまを見つけた(写真上)。本種は、ホソコハナムグリ。

 駐車場に戻ってエノキを見てみると、こちらも初めて撮影するジュウシチホシハナムグリに出会った(写真上)。同じエノキに2匹いたが、エノキと関係があるのだろうか?
 そのエノキでは、テングチョウの幼虫までいた(写真下)。

 (写真上、中、下・E-500 35ミリマクロ)新開 孝

神宮の昆虫ー2 2007/04/29(その3)
 神宮公園の中はかなり広いので、今日は博物館の自然史展示のみを観て、あとは古民家などのセクションを歩いてみた。

 ちょうどハッサクミカンの花が咲き始めたころで、いい香りが漂い、ナガサキアゲハのメスが産卵に来ていた。なかなか神経質なメスで、撮影はできなかったが、ハッサクの葉裏をめくると卵が次々と見つかった。新開 孝

神宮の昆虫ー1 2007/04/29(その2)
 今日は午後から宮崎市内に来ている。
嫁さんの車を購入するのもひとつの目的で、紹介してもらった軽自動車アルトは、価格が安い上に走行距離も短くきれいだったので、ほとんど即決で購入が決まった。これで、もうすぐ私も運転手役から解放されそうだ。

 夜からは嫁さんの叔父宅で誕生会だが、その前に神宮公園の県立博物館にひとりで行ってみた。

 駐車場に車を止めて、場内の案内看板を眺めていると、すぐ脇のイヌビワでイシガケチョウの終令幼虫が見つかった。
 イシガケチョウは成虫越冬で、めざめたメスが産卵するのはイヌビワの芽吹きが始まるころの4月上旬前後だから、こうして終令幼虫がいるわけだ。
 
 (写真上・E-330  8ミリ魚眼)
 (写真中、下・E-500 35ミリマクロ)新開 孝

オガタタマノキ 2007/04/29(その1)
 昨日の朝、うちの庭にミカドアゲハがやって来た。今日は都城に出掛けて植木市に立ち寄ったので、オガタマノキを買ってみた。花はいい香りがする。オガタマノキはミカドアゲハ幼虫の食樹であるから、いずれ産卵に訪れてくれるかもしれない。

(E-330 8ミリ魚眼)新開 孝

ミカドアゲハの春型 2007/04/28(その2)
 午前中、庭のシロツメクサに、ミカドアゲハが飛来した。

 ミカドアゲハはこれまで、特に成虫はまともに撮影できたことがなく、宮崎ではきっと普通種としていくらでも見ることができるだろうと、期待していたチョウだ。
 よほどお腹をすかしていたのか、シロツメクサの花を次々と訪れ、私が接近しても驚くことなく、長い間吸蜜を続けてくれた。

(写真/E-300 50ー200ミリズーム)新開 孝

枝に化ける 2007/04/28(その1)
 うちの近所の畑に、クヌギの若木を植えている所が何カ所かある。
 そのうちのもっとも近い場所に行ってみた。
 
 クヌギの芽吹きはコナラよりずいぶん遅く、まだ葉も若い。ふと目線の高さで今朝もまた、サツマヒメカマキリ幼虫に出会った(写真上)。

 落ち着いている彼らは、前脚の鎌を揃えて伸ばしていることが多い。そしてそのポーズは、枝に化ける効果をより高めていると思われる。

 先日、庭の木で大きな枝を切った。その木は常緑樹だが種名がまだわからない。で、切り落とした枝を積み上げておいたら、今日はゴマフカミリがさっそく来ていた(写真下)。ゴマフカミキリは顔を伏せて、枝に抱きついたまま微動だにしない。これもまた、枝に化ける技なのだろう。

(写真/E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

セグロベニトゲアシガ 2007/04/27
 昨夜は夜中の2時半から起きて早朝5時半まで室内撮影を行っていた。少し眠いが今日の夜中も同じような撮影が控えている。
 撮影は直径1ミリほどの卵のふ化シーンのビデオ撮りだから、外の道路を2トン車トラックが走ったりすると、画面がブレてしまう。幸いにも撮影は夜中だったので順調にいったが、ビデオ撮影の超接写はたいへん苦労させられる。

 さて、庭木の間を歩いていたら、セグロベニトゲアシガを見つけた。1週間ほど前にも同じような場所で見ているから、どこか近くで発生したのだろう。

 調べてみると、このセグロベニトゲアシガの幼虫は、ワタアブラムシやタケノアブラムシを食べて育つ肉食であるようだ。蝶のゴイシシジミを思い浮かべるが、果たしてこのセグロベニトゲアシガの成虫は、何を餌にしているのだろうか?

 (E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

トビズムカデとナフタリン作戦とは 2007/04/26(その2)
 クヌギの立ち枯れ木をやっとのことで切り倒し、疲れて居間の畳の上に寝転がっていた。

 外の縁側の庇にかけてやった巣箱では、スズメが営巣中である。出入りするスズメ夫婦の様子から、すでに抱卵しているのかなあ、と巣箱をぼんやり眺めていた。

 すると巣箱の表面をでっかいムカデが歩いているではないか。トビズムカデで、この間から我が家に侵入して騒ぎになっているやつだ。
 
 「ムカデが巣箱の上を歩いているよ!」と、
 台所で昼食の用意をしていた嫁さんに声を掛けたら、
 「エエーっ!こんな昼間でも動き回るの!?夜行性と言ってたじゃん」

 「あれ、おいおい巣の中に入っていくぞ!スズメに喰われたりして」

 と、見ているうちに巣箱のなかに一旦侵入したムカデは、次の瞬間慌てて外に出て来た。すると続いて中からスズメが顔を出した。

  「おおっ!!スズメさん、ムカデをどうするかな!」と実況中継していると、
   
 スズメはちょっと怒ったふうに、くちばしでムカデをはじいて地面に叩き落としたのであった。

  「あはは、ムカデは撃退されたよ!!」

 しかし、ムカデは我が家に侵入する場所を探していたわけで、ちょっとスズメのお宿に寄り道したということだ。そして、このような現状をここで書いていれば、知り合いも友達も、誰もうちに遊びに来てくれなくなるかもしれない。

 で、今日のこの「ある記」の原稿を居間で正座して打っていると、なにやら黒い影が視界の隅にちらりと動いたことに気付いた。
 うん!?さすがに私もびっくり!トビズムカデが電話台の下から這い出て私のすぐ側を歩いているのだった。
 すぐさま大きなピンセットと消毒用エタノール入りの瓶を取ってきて、ムカデには申し訳ないが、アルコール漬けにしたのである(写真)。

 ムカデにとって、日中の野外はかなりの暑さであるが、我が家のなかは昼間でもひんやりしている。それはまるで洞穴か、林の暗がりなどと、何ら変わらぬ環境とムカデには映るのだろう。
 しかし、家人がトビズムカデにいずれ咬まれることは疑いない。私も咬まれたくはない。そこで、数日前からムカデ侵入防御の策として、窓枠などにナフタリン粉を撒いたり、ケースに入れて置いてみたりしている。サッシと壁のあいだの隙間などは、見つけしだいシリコン材の充填をしている。

 ナフタリンをムカデが嫌って、侵入防御に効果あったというのは、先日来てくれた電気工事の職人さんから聞いた話だった。しかし、隙間というもの、その全てをガードするのは不可能に近いかもしれない。

 しかも、この対策を講じてから思わぬ弊害も生じた。
最初の二晩、下の子供が夜中から激しく咳き込み始め、朝には気分が悪くなり、二日間学校を休んだのであった。喉からゼイゼイという苦しそうな呼吸音も聞こえる。
 休んだ日はいずれも午後からは元気になったが、発熱がなかったり、どうも風邪にしては変だと、思っていたが、これはもしかしたらナフタリンによる、一種の中毒ではないか?ということが疑われたのである。下の子は食べ物アレルギーもいくつかあり、体質的にも感受性が高いのかもしれない。
 現在、家族四人は同じ寝室で寝ているが、ここは夜中はドアを閉め切っているから、家のなかではもっともナフタリンの匂いがこもってしまう。

 そこで一昨日と昨夜は、居間に移って寝てみた。ここにはナフタリンは置いていないからだったが、やはり子供の咳き込みや喉のゼイゼイいう症状もみられなかった。子供の体調不良がナフタリンと因果関係があるのかどうかは、詳しく調べたわけではないが、どうも疑わしいのである。

(写真/E-330  8ミリ魚眼)
 

 新開 孝

クヌギの切り倒し作業 2007/04/26(その1)
 三股町のうちの敷地には前から書いているように、クヌギ林がある。
林といってもクヌギの数はせいぜい10数本だろうか。正確な数をまだ把握できていないのは、ササ(メダケ)が林全体にびっしりとはびこっているからである。クヌギに混じって、他にはアカメガシワが多く、コナラ、センダンなどが見える。

 林は敷地の南側の斜面にあり、その斜面最上段あたりに並ぶ5、6本のクヌギが居間の窓からよく見える。で、そのうちの一本が完全に立ち枯れており、ずっと気になっていた。もしもこの枯れクヌギが倒れたら、居間の屋根を直撃する可能性もあるからだ。

 そこで、今朝はこのクヌギを切り倒す作業をしてみた(写真上、中)。幸いにもクヌギは地面に対して斜めに伸びており、伸びたその方向へ倒れるように切り口をつければ、家側に倒れる心配はない。
 とはいっても慣れないチェンソーを使うことと、木を切り倒す作業は初めての経験なので、慎重にならざるを得ない。
 すでに前の住人が切り倒したクヌギの切り株がすぐ横にある。その切り口はかなり高い位置にあって、斜面下側でははしごを使わないと作業ができなかったと思われる。木の根元あたりで地面がさらにえぐれているからだ。
 チェンソーを使う場合、自分の目線よりか上を切断することは、制動が効きにくい上に作業しづらく、たいへん危険である。だから、前もって、切断箇所は低い位置にしようと考えていたのだが、いざ作業に入ってみれば、高い位置にチェンソーをあてがって作業が進んでしまった。

 斜面上側ではほぼ自分の胸の高さだが、斜面下側のときには顔のあたりの高さになっていた。これではたいへんやりづらい。木が倒れるまでに何度も休憩を入れないといけないほど、たいへんな作業となったのは言うまでもない。
ようやくクヌギが倒れたころには汗だく、ヘトヘトになり、首筋から肩、腕にかけてが鉛のように感じられた。
 
 疲れきった体を引きずるようにして居間に戻り、窓から林を眺めて驚いた。
私が今日切ったクヌギの切り株と、以前に切られていた切り株とが、見事に同じ高さになって綺麗に並んでいるのである(写真下/手前が私の切った切り株)。
 
「これって、まさにアンカーリングじゃない!」
(ちょうど昨夜のNHKためしてガッテン!で放送されていたが、、、、。)

 ここ一ヶ月ほど、毎日のようにクヌギの切り株を眺めていて、こんな高さで切断するのはたいへんだよ、とか思いつつも、写真に撮ったりしていると、その切り株の高さというものが、脳内部に当然のこととして、しっかりとインプットされていたようだ。

 振り返ってみれば、切段箇所が高すぎたことに気付いた時点で、再度、低い場所へ変更すれば良かったとも思う。しかし、せっかくここまで進めたからと、しゃにむに作業を続行したのもいけなかった。

(E-300  14-54ミリズーム)
 

 新開 孝

朝のナナホシテントウ 2007/04/25
 午前7時ころ、畦道は昨日の雨滴で覆われていて、気温もまだ低い。
 ノビルの花穂ではヤマトシジミがまだ動けないでいる(写真上)。
 スイバの花穂でもジョウカイボンがしがみついたままで、多くの昆虫はまだ活動を開始していない時刻だ。

 ところがカラスノエンドウを見れば、そこではナナホシテントウがアブラムシをもりもり食べていた(写真中、下)。しかもその数はかなり多い。さすがに食べ方は遅いが、どの個体もアブラムシを抱えている。

 ナナホシテントウは真夏の暑さには弱くて、夏場はススキの根元などに潜り込んで夏眠に入るが、一方では寒さに強く、冬でも幼虫が見られる。これは地面の暖かさをうまく利用していることもあるだろうが、今朝の様子を見ていると、やはり寒さに強い昆虫なのだなあ、と感じる。

(E-500 35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

ムカデもいれば、オオゲジもいる 2007/04/24(その2)
 我が家には、先日から立て続けに大きなムカデが侵入して、ちょっと騒ぎになった。東京の東村山のアパートに住んでいた頃にも、嫁さんがムカデに太ももを噛まれたりした経験もあるから、それほど仰天することもないが、嫁さんはやはり一番、騒いでいた。

 そして本日は、廊下の壁でオオゲジが静かに休んでいた(写真上)。こいつは無害だからね、という解説を私がいくらしても、それは説得力がない。たしかに恐ろしげではあろうが、整然と並んだ脚は美しくも感じられる(写真下)。

 (写真/E-330 魚眼8ミリ )新開 孝

ニホンホホビロコメツキモドキ 2007/04/24(その1)
 長い上にけったいな名前の虫。たしかに名前通りにけったいな姿をしている。

 今日は雨で、おまけに室内撮影の準備に追われていたから、本種の写真は昨日撮影したもの。

 昨日は少しづつ時間を割いて、庭のツツジの花にやってくる昆虫を撮影してみたが、そのツツジの花で、初めてニホンホホビロコメツキモドキを見つけた(写真上、中)。頭でっかちで、お尻の方がすぼまった体型。しかも前脚の先端、ふ節は大きい。「おお!メスではないか!」

 そして、「ホホビロ」と呼ばれる理由は、顔を正面から見れば納得できる。しかも、単に頬が広いというだけでなく、顔面左側がアンバランスに広がっているのである(写真下)。この非対称の顔立ちは、メスに限ってのことであり、オスは左右対称であるから、さらに驚くではないか。

 ニホンホホビロコメツキモドキの幼虫は枯れたメダケの茎内で育ち、そのまま蛹となって羽化する。つまり2月ころ、枯れた細い竹材を割ってみると、本種の新成虫がかぐや姫のごとく見つかるというわけである。
 メダケならうちの林には、山ほど生えている。早く駆逐してしまいたいとは思っているが、意外な出会いがあってみれば、少しは残しておこうかなどとも考えてしまう。

 (写真上/EOSキッスデジタルN シグマ50ミリマクロ)
 (写真中、下/E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)


 新開 孝

サツマヒメカマキリ、ふたたび 2007/04/23(その2)
 昨日、近くにある「稲荷神社」の境内でサツマヒメカマキリらしきカマキリの幼虫を見つけたことを書いた。
 今日は庭のツツジの花上でも、同種の幼虫を見つけた(写真上)。どうやら花に来る虫を獲物としてねらっているようだ。実際の狩りの様子を観察してみようとしたが、それは叶わなかった。

 また、昨日はここ宮崎でもまだオオカマキリはふ化していないと書いたが、今日、オオカマキリのふ化幼虫を見つけた(写真中)。

 ツツジの花には今日もモンキアゲハの大きなメスがやって来た(写真下)。超広角のレンズを付けておらず、絵柄としては物足りないものとなってしまった。

(写真上/EOSキッスデジタルN マクロ100ミリマクロ)
(写真中、下/EOSキッスデジタルN シグマ50ミリマクロ)
新開 孝
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