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冬のハラビロカマキリ 2006/12/22
 昨日のお昼過ぎ頃、近所でハラビロカマキリのメスを見つけた。

 最初は、枝にすがったまま死んでいるのだろうと思った。実際、ハラビロカマキリのメスは、生きていたときの格好のまま梢などで息絶えていることが多いからだ。
 しかし指先で体に触れてみると、そのハラビロカマキリは元気に動き出したのであった。まだお腹の膨らみもあって卵を抱えているのではないかと思われた。

 この冬は暖冬と言われているが、そのせいかどうかはともかく、本来ならとっくに産卵を終えて、成虫の寿命は尽きている時期にもかかわらず、このハラビロカマキリのメスはまだ生きている。
 ハラビロカマキリの発生期がだらだらと長く続いたせいかもしれないが、このメスの羽化はかなり遅かったのであろう。
 
(E-330 魚眼8ミリ/写真は12/21に撮影したもの )

『師走の迷走』

 先日19日は、OLYMPUSのプロサポートの部署で催された忘年会に出てみた。
 プロカメラマンの方がたくさん集まり、著名な方の顔ぶれも多い。OLYMPUSのフォーサーズ、Eシステムに対する評価の高さを物語っているのだろう。
 私はこういう人が大勢集まる場所はただでさえ苦手であり、面識のある方も3人くらいしかおらず、最初は躊躇していたのだが、一年に一回程度しか会えない方もいらっしゃるので、少しだけ顔を出す事にした。
 
OLYMPUSのフラッグシップカメラとしてのE-1が発売されてから、次期後継機の登場がかなり遅れている。他社が主力デジタル一眼レフカメラの性能を向上させながら新機種を着々と発売しているのに、OLYMPUSは一歩も二歩も遅れてしまっている。
 最近になってようやくOLYMPUSから新型後継機が来年には出るとのアナウンスが流れてはいるが、まだそのカメラの実態は隠されたままである。会場ではもしかしたらある程度詳しい情報を聞けるかもしれない、そう期待してみたが、凄いカメラが来年には発売になる、というこれまでの発表と内容は変わらぬものであった。アクリルケースに入ったコンセプトモックアップも置いてあったが、これは眺めても意味がまったく無い。すこしがっかり。
 ともかくも来年のいつ頃になるかわからないが、E-1後継機の登場には大いに期待したいと思う。
 欧州限定で発売されたE-400も会場にあって触る事もできたが、私個人としては超小型軽量というE-400にはまるで興味が湧かない。カメラの大きさはすでにE-500で充分小さくなっている。それ以上に小さくなっても操作性の点では扱いにくいだけでメリットを感じない。

 さて小川町の忘年会会場を8時には切り上げ、池袋へと場所を移して今度は編集者の方とお話をした。聞けば編集者の方の年齢は私よりか5歳下であり、仕事の現場周辺では段々と自分よりか若い方が多くなってきた。それだけ自分が歳とったわけだと、しみじみ感じる。
 駅から近い居酒屋で話し込んでいるうちにラストオーダーの時刻となり、うちに戻ったのが深夜零時を過ぎていた。いつもは少なくとも10時前に就寝しているから、体もびっくりしていることだろう。

 今年の暮れは本の原稿書きや写真展の下準備などできわめて過剰スケジュールとなっており、その上に来年の引っ越しにむけての準備も少しづつ進めなければならない。だから飲み歩いている場合ではないが、ときには息抜きも必要だろう。
 きわめて忙しいことを踏まえて、年賀状は例年よりか早めに仕上げてすでに投函まで済ませた。年賀ハガキはいつものように自家製プリントだ。
 ガチャン、ガチャンと印刷を続けているうちに、うちのプリンターもそろそろ調子が悪くなってもおかしくないところまで使い込んでいることにハタと気付いた。そういえば2年前の冬には調子を崩して一度メーカー送りとなったほど。
 ならばいっそのこと、年賀ハガキ印刷を最後の仕事として、このまま完全に壊れてくれたら、引っ越し荷物を一つ減らせる!それもいいかと思ったりした。
 
 が、しかし、事はそううまくはいかない。
 来年3月開催する写真展では、自家製プリントを使う予定。その大仕事が控えていることを一瞬、忘れるところだった。そうなると、今度は新たな心配を抱え込むことになる。A3サイズを100枚以上もプリント出力する作業を行なえば、プリンターがいつ不調になってもおかしくはないだろう。
 私の使っているプリンターはエプソンのPM-4000PXという機種で、すでに型は旧い。このプリンターがもしも不調となって出力作業ができなくなった場合、修理に出しているとプリント提出期限には間に合わないのも確実。だからもし今度、修理が必要となった場合には、プリンターは買い替えることを覚悟している。
 その場合には当然ながら新型機種に乗り換えるつもりだから、残ったインクは使えなくなる。誰かPM-4000PXを使っている方がいれば、その方に差し上げたいと思う。

 さて、写真データの緊急バックアップ作業も、このところの忙しさのため、一時中断している。DVDメディアに焼き込む作業は、たいへん手間暇が掛かるからだ。そこである方からのアドバイスもいただき、とりあえずは数基のHDDに分散化してバックアップすることにして、DVDメディアへの書き込みは時間ができたときにコツコツと継続することとした。ハードディスク恐怖症に落ち入った私としては、もう二度とHDDなんぞには頼らないぞ!と決めかかっていたのだが、時間とコストを考えると、現実的にはやはりHDDに立ち戻るしかないのであった。

新開 孝

クモの図鑑 2006/12/17
 今朝、新刊『ネイチャーガイド 日本のクモ』新海栄一著(文一総合出版)が届いた。

 待ちに待ったクモの図鑑で、掲載種数は565種にもなり(A5判/336頁)、現在国内で刊行されているクモ図鑑のなかでは最大種数である。写真はすべて野外で撮影された生態写真で構成されている(ちなみに日本で記録されているクモは約1400種とある)。
 じつはこの図鑑には私が撮影した写真が一枚だけ入っている。10年も前に屋久島で撮影したオオスミコガネグモのメスの写真である。

 オオスミコガネグモは初めて見るクモだったので、撮影した当時はたいへんびっくりした。大型種でありながら手元の図鑑には掲載されておらず、さっそく新海栄一さんに写真を送って同定していただいた。すると極めて希少種ということで、撮影場所などを詳しく新海さんにお伝えした記憶がある。
 
 オオスミコガネグモは鹿児島県の大隅半島南部にも分布しているので、来年には宮崎の新居から少し足を伸ばせば、その生息地を訪れることもできる。もちろんオオスミコガネグモは希少種でもあり簡単には見つからないだろうと思うが、機会があればもっときちんと撮影し直しておきたい。
 そういえばこの秋に宮崎を訪れた際に気付いたのだが、あちらではたいへんジョロウグモが多かったのが印象的だった。その密度の濃さの凄さは、こちら関東では体験したことがないので、ほんとうに驚いた。
 また前にも書いたが、宮崎の私の新居の敷地内にはコガネグモがたいへん多かった。鹿児島地方で行なわれる「クモ合戦」はこのコガネグモを使うそうだ。

 
新開 孝

ふるさと、松山とは 2006/12/15
 私が愛媛県、松山市に生まれたことはプロフィールにも書いてあるとおりで,
地元の大学を卒業してからも半年間ほどは松山にいたので、(さらに一浪もしているので)24年間はその生まれ故郷でずっと生活していたことになる。

 さて、年に数回、松山の実家からいろいろな食材の宅配便が届くが、今夜は実家の畑で採れた里芋などとともに、私のリクエストで写真の「削りぶし」「磯じまん」「おでんみそ」を久しぶりに加えてもらった。

 「削りぶし」はいわゆる「花かつお」で、これは出汁として調理に使うのではなく、冷や奴にのせたり、熱々のご飯にのっけて食べるときのもので、醤油を垂らせば、もうそれだけで立派なおかずの一品となる。この削りぶしの味わいをどうしても東京では見出せず、幼い頃から松山で食べ親しんだ味に落ち着く。
 また海苔の佃煮も「磯じまん」でしかあり得ず、おでんの辛しは、辛しではなく「辛しみそ」でないとダメなのである。こういうローカルな味はすっかり体に染み込んでしまっており、やはり私はどこまでも関西の人間なのであろう、と思うしかない。四国は関西のなかでもまた異質かな?

 ならばどうして新居の先が松山でなく、宮崎なのか?という質問はすでに多く耳にしている。それは当然のことだが、宮崎に新しい仕事場を選んだ理由を説明するには少し長くなるので、またの機会ということで、ここではとりあえず割愛しておこう。
 ただ、こういった食へのこだわりからも、私が東日本以北で永く暮らすという可能性が薄かったのだけは確かである。

(E-330  ズイコーデジタル14-54ミリズーム)


 新開 孝

生き物は、変わっていくもの 2006/12/14
 先週あたりから、下の子供(小学1年生)の登校に途中まで付き合って一緒に歩いている。

 7歳という年頃に限らずだろうが、この年齢の子らは自分の体調や、あるいは思いなどを、親に対しても素直に言葉で表現できないことが間々ある。
 「うじうじ言ってないで、ちゃんと言葉で言ってよ!」とついつい叱ったりもするが、そういう理屈が通じる相手ではない。親が叱ると、子供は悲しくなるだけのようだ。ますます殻に閉じこもって、コミュニケートを断ってしまう。

 風邪で体調が思わしくなかった先週の朝、登校をしぶっていた下の子供の先に立って途中まで見送った日があった。それ以来、毎朝、私は子供と共に歩くことになったのである。子供が登校拒否に落ち入ったわけではないが、なんとなくそうすることが小さな習慣になっているだけのことである。手持ち無沙汰なので、ついついカメラをぶら下げて歩くことにもなった。

 歩くコースは、うちを出た辺りがちょうど空堀川の「梅坂橋」で、川に沿って下流までいくと「三郷橋」を渡ることになる。この「三郷橋」を渡り切ったところで、子供と別れていつもの空堀川、遊歩道を引き返して「梅坂橋」へと戻る。
 ゆっくり歩いても15分程度の道のりであり、午前8時にうちを出れば、家に戻ってNHK TVドラマ「芋たこなんきん」をギリギリ観ることもできる。おそらくこの小さな習慣もいずれどちらかが飽きるか、忘れ去ってしまうとは思うが、、。
 しかし朝のちょっとした散歩のおかげで、今まで見落としていたコナラの紅葉を見つけることもできた(写真)。あまり鮮やかではないが、たしかに黄色葉となっている。前に武蔵野低地の雑木林の秋の色付きが、近年になって良くないと書いたが、一本一本の樹を見ていけば、稀にちゃんと紅葉する樹も見つかるのである。

 紅葉の色付きの変化は、直感的には環境の変化と捉えていいのではないか、と感じている。環境の何が変わったのか、それはたいへん難しい問題だが、人間の社会活動がもたらした変化であることは間違いないだろう。

 人間の活動によって環境が変わるのは、しかしそのテンポや規模の違いはあっても、かなりの大昔からあった。さらには、人がいじくらなくても環境はどんどん変わっていくものでもある。
 生物が変わるべくして変わってきた「進化」のように、その生物が構成する生物環境もまた変わっていくのが宿命のようだ。

 で、環境問題という視点でいろいろ考え事をしているときに、先日こんな本をたまたま見つけて読んでみた。
 
 『環境問題のウソ』池田清彦(ちくまプリマー新書)

 アメリカザリガニや、ブラックバスなどの外来生物についての論考は、たいへんわかりやすく、これまで悶々としていたことが私なりにもかなり整理できたように思われた。他にも地球温暖化やダイオキシンの問題についても、これまでマスコミで騒がれたウソを批判した視点で語られており、とても参考になった。

 (E−330  ズイコーデジタルズーム14-54ミリ)
 

 新開 孝

ふたたび昆虫観察会 2006/12/12
 昨日と同じ保育園の園児たち16人と「なかよし広場」という雑木林に出掛けた。午前中はなんとか天候が持ち堪えてくれた。

 園児たちは5歳ということで、また一段と可愛い。そして元気だ。見るもの、見つけたもの、あればすぐに私を呼んでくれる。ひとつひとつ解説するよりか、皆のもとへ駆けつけるのが忙しいほど。

 今日はエノキの根元の落ち葉から、ゴマダラチョウの越冬幼虫を見つけてみた。幼虫の顔はとても小さいので、写真に撮ってから拡大して皆に観てもらった。
 すると「かわいい!!」「コアラみたい!!」との声が次々とあがり、コアラかあ、なるほどと思った。

 昨日のコガタスズメバチ女王がまた見つかったので、お尻の毒針を観てもらった。ピンセットでつまんでいると、数人の子は背中を触ってみては、ちょっと恐そうにしていた。こんな機会でもないと生きたスズメバチの体の感触を体験することなどないだろう。
 一人の男の子が、ヘラクヌギカメムシのオスを見つけた。ササの葉にとまっていて見づらいのに、よく気がついたと感心する。「においを嗅いでごらん」と声をかけると、さっそく実行した男の子は顔を歪めていた。おそらく産まれて初めての経験だったのだろう。

 私にとって、今日が東京での最後の観察会となった。

 (E-500   マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

子供たちと冬の昆虫観察会 2006/12/11(その1)
 近所の保育園の年長組の園児たちと一緒に、雑木林に出掛けてみた。午前中の1時間ほどだが、林の中を自由に歩けるので子供達はみんな楽しそうに虫探しをできた(写真上)。
 ここの保育園では私の子供たちもお世話になったが、以前、保育参観のときに散歩がてら昆虫観察をしたことがある。そのときも季節は晩秋か冬であったと思う。

 今日は、コナラで産卵するヘラクヌギカメムシのメスやそのゼリーのような卵、コクワガタの幼虫、ヒゲジロハサミムシ、ハイイロチョッキリの幼虫(写真下)などが見つかった。コゲラの巣穴を見ながら朽ち木のお話をしたり、イイギリ、ヤツデ、などの樹の葉っぱで遊んでみたりした。
 コクワガタ幼虫の入っていた朽ち木では、コガタスズメバチの女王も見つかって、子供達は恐がったりもしたが、たいへん興奮していたようだ。

 「しんかい たくみ君のおとうさん!!こっちになんかいるよ!」今日は子供達にそう呼ばれて、とても懐かしい気分で観察会を過ごす事が出来た。

 明日は一つ年下の組の子供たちと虫探しをする予定。

(写真上/E-330 ズイコーデジタル7-14ミリズーム)
(写真下/E-500 マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)

 
 

 新開 孝

アカスジキンカメムシ幼虫 2006/12/11(その2)
 昨夜は中里の林で少しだけフユシャクを探してみた。とくにクロスジフユエダシャクの交尾つがいを見つけようと思ったのだが、時間帯も少し早めだったからか歩いているメスを一匹、見ただけであった。

 暗い林のなかでウロウロしていると、林の外からしきりと懐中電灯でこちらを窺っている人がいた。犬の散歩に来た方だが、どうやら私の素行がとても怪しいと感じたらしい。まあ、無理はないだろう。そこで、事情を話してみたが、話だけではすぐに納得されなかったようだ。
 「その虫、見せてよ」とおっしゃるので、林の中まで来てもらい、クロスジフユエダシャクのメスを近くで見てもらったのである。なにさまこのメスは小さいうえに、コナラの幹に姿が紛れてしまいわかりづらい。顔をすり寄せるようにでもしない限り、普通の方には目に入らないのだ。
 
 「いやあ!こんなのがいるんだねえ!」
 ようやく、私の素性もわかり、虫の正体も知ってもらうことができたのだが、暗い林のなかで、お互いの顔もよくわからないまま、冬尺蛾の生活を私は怒濤のごとく語っていた。

 というような昨夜のことを思い出しながら、今日の昼間の林ではアカスジキンカメムシの幼虫を見つけた。本種は落ち葉の下などで幼虫越冬するのだが、陽気がいいせいか、なにか越冬場所に不都合でもあったのか、ウロウロしていたようだ。

(E-330 ズイコーデジタル14-54ミリズーム)


 今日は、これまで連日おこなってきた写真データのバックアップ作業を一旦休止した。買い置きしてあったDVDメディアが底をついたからで、近所の家電店ではこちらの欲しい製品が在庫切れしていたのである。格安の怪しいのはたくさん山積みしているが、、、。

 どうやら都内の大手のパソコン売り場に出ない限り、望みのDVDメディアを必要な数だけ手に入れるのは無理のようだ。250GBのHDD一台からバックアップをとるには、4.7GBのDVDメディアだと単純に計算しても60枚程度は必要だし、2枚づつ焼くから実際には120枚!も買い備えておかなければならない。

  新開 孝

ファウストハマキチョッキリ 2006/12/09
 中里の雑木林で落ち葉をかきわけてみた。

落ち葉の下に潜り込んで冬越しする昆虫を探すときは、まず大きな樹木を選んで、その根際から見ていくといい。
今回は一本のイヌシデを選んで軽く落ち葉をかき寄せると、すぐにファウストハマキチョッキリが姿を現した。

 このチョッキリムシは、体長5ミリほどしかないので、うっかり見落としてしまいそうだ。しかし、よく見ると体の背面は赤紫色に輝いており、
小さな宝物を見つけたときのような、ちょっと得をしたような気分となる。
 
(写真上/E−500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)
(写真中、下/EOSキッスデジタルN  MP−E65ミリマクロ)


『ハードディスクは短命な消耗品』

先日、120G容量の外付けHDDが立て続けに2台、パソコンで認識できなくなったと書き込んだ。元データとそのバックアップ先のHDDが2台とも共倒れとなり、バックアップ先としてHDDを使ったことがいかに愚かであったことかを痛感したしだい。
 
 デジタル撮影に移行してからこれまでの4年間、データ保存のほとんどをハードディスクで賄ってきた。ハードディスクは大量の写真データを保管、管理する上では、相当の省スペース化が実現できてきわめて便利この上ないのであるが、その裏腹にいつなんどきデータが壊れてしまうかもしれぬという危険性を孕んでいる。ハードディスクのそうした危険性を今まで知らなかったわけではないが、便利さにかまけて油断していた。

来年の宮崎移転を控えて、その引越しにも備えて、今は過去の写真データをDVDメディアに焼き込む作業を連日、続けている。少しでも効率良く作業をこなすために、3台のパソコンがフル稼働している。私の所有するマックのパソコンに内臓されたドライブではDVD−Rしか焼けず、しかも書き込み速度が遅いので、作業はなかなか終わりそうにない。古いデータほどマックの環境下にあるので厄介だ。
その反面、新規に導入したウィンドウズのマシンは、扱えるメディアの種類も多い上に書き込み速度も速く、非常に効率がいい。マックについてはOSのクラシック環境上でしか動かないソフトもあるし、いろいろ作業をする上ではメリットよりかデメリットの方が上回る一方なので、いずれパソコン環境の全てをウィンドウズに移行するつもりでいる。

今回のデータ損失の教訓としては、
 
@ 大容量のHDDは、使うべからず!
A バックアップは必ず、DVD、CDなど多岐のメディアにこまめに行うこと!
B バックアップとしてプリントアウトも活用せよ!
C データ保管をパソコンに頼りきるな!

 危険の分散ということからも、大容量HDDは危険である。万が一、HDDに不具合が生じてデータの復旧を業者に依頼するにしても、その場合の料金は容量が大きいほど高くつくことも知っておいたほうがいいだろう。データ損失の共倒れの犠牲を少しでも減らす手立てとしても、せいぜい60GB程度のポータブルHDDに保存するくらいのほうが、安全ではある。
 写真データをプリントアウトしておくのも、ひとつのバックアップ手段として有効だといえる。これは数多く実行するには無理があるが、限定したデータ数で行うには実効性が高い。例えば印刷入稿用のデータとして、高精細なプリントだとデータよりも良い結果を得ることができるからである。

 デジタル写真は便利だし今後、社会的趨勢からしても、もうアナログのフィルムに逆戻りすることはあり得ないだろうと、思う。
だがしかし、行く先を見失った感が強いデジタル社会の迷走は、その加速度をいよいよ高めて、人々の真に求める理想の姿とはかけ離れていく一方だという気もする。新開 孝

クロスジフユエダシャクのオス 2006/12/05(その1)
 このところ雑木林で昼間からたくさん舞っているのが、クロスジフユエダシャクのオスである。ときおりシジュウカラやヒヨドリのフライキャッチでパチンと音がしては、食べられてしまう。しかし、鳥に食べられても食べられても、クロスジフユエダシャクの飛び交う姿は減らない。どこから湧き出すのやら、と思わせるほどに数が多い。

 林の地面に近いところを、ころがるように舞い続けているが、今日はエノキの葉上で休んでいるオスに出会えた。

(E-330  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

ヒメヤママユの卵探し 2006/12/05(その2)
 先日の1日に、ヒメヤママユの卵を探しに出掛けてみた。
 場所は所沢市航空公園の東にある雑木林である。地名は下新井。

 ヒメヤママユの卵はヤママユ科のなかでも、見つけるのがもっとも容易で、昔には撮影もずいぶんしたし、飼育もよく行なった。
 しかし、卵の写真は銀塩ポジ写真しかなく、デジタルデータがあったほうが何かと便利なのと、久しぶりに越冬卵を見ておきたくなった。

 1時間ほど探し歩いてみた結果、以前に比べると数がずいぶんと少ないことに気付いた。ヒメヤママユの産卵場所は、樹木の幹表面が多く、しかも目線の高さから地上高30センチあたりの低い場所でよく見つかる。そして卵のついている方角はだいたい幹の北側である。
 樹種は様々だが、大きなヤマザクラを見て回るのが効率が良いようだ。

 卵は多くて5個ほどが並べて産み付けられていることもあるが、1個か2個並びで見つかることが多い(写真上は1個)。
 またエナガやシジュウカラの仕業と思われるが、ヒメヤママユの卵は鳥に食べられてしまうことも多く、幹に卵の食べ殻だけが残っているものもよく見受ける(写真下)。

(EOSキッスデジタルN   シグマ50ミリマクロ)新開 孝

梢の探し物、そして「お知らせ」 2006/11/30(その2)
 さいたま市、秋が瀬公園に出向いた理由は、クヌギカメムシの様子を見ることであったがついでに探しておきたいものがあった。

 その一つは、ミドリシジミの越冬卵である。
 秋が瀬公園は、ミドリシジミを多産することで有名だが、じっさい幼虫も成虫もよく見かける。落ち葉の下では蛹も見つかる。しかし、これまで越冬卵を探してみたことがなかった。そこでクヌギカメムシのついでに少しばかりハンノキの梢をのぞいてみたら、すぐに卵は見つかった(写真上、中)。

 さて、もう一つの探し物は、はやにえ、である。モズのはやにえに、どんな獲物が立てられたか、これを見るのは秋、冬のフィールド巡りの楽しみのひとつ。
 こちらはミドリシジミ越冬卵を探しているうちに、偶然、見つかった(写真下)。
 ハンノキの枯れ枝に、のど元からグサリと串刺しにされたカナヘビは、まだ死後硬直がきておらず、触ってみるととても柔らかい。こんな大物の獲物をはやにえに立てるということは、モズの食欲は左程でもなかったということか。

(E-330   マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)
(写真中のみ、E0S5D MP-E65ミリマクロ)


 『「昆虫ある記」毎日更新の休止のお知らせ』

 少し以前にもお知らせしましたが、「昆虫ある記」の日々更新は、今日をもって一旦、休止とします。

 来月、つまり明日からは不定期更新となります。これまでの3年間、この「昆虫ある記」を熱心に訪問していただいた方々には、深くお礼を申し上げます。

 不定期更新とは、一週間に一度くらいの更新になるかと思います。ときたま、チェックしていただければ幸いです。

 そこで、この3年間を振り返って、少し気に掛かっていた事についてですが、一つは2004年の暮れから2005年の2月にかけての朝日新聞連載記事のことです。この連載記事の写真は、地域によっては写真がカラーでないとの声をいただき、その写真を当「昆虫ある記」で紹介するとしました。しかし、8回連載のうち2回分のみのアップしかできず、たいへん恐縮しております。
 やはり日々のフィールドある記を綴っていると、その日その日の情報を優先してしまいます。毎日の小さな観察記録をホットとなうちにお伝えしたい、という本来の筋を通してしまいました。また、もう一つの理由としては、朝日新聞社から写真原版がまだ返却されていないことです。連載に使った写真は、デジタルデータとポジ写真の混成でした。返却を請求することも、思い出してはすぐ忘れてしまう、ということをずっと繰り返してきました。これはまさに怠慢としか言いようがありません。もうそろそろ、しっかり請求しなければいけませんね。

 さて、細かいことですが、機材のお話で、「ハクバのデジタルスレーブストロボ」が調子悪くなりメーカーで調べてもらっていることをお伝えしました。
 その結果の連絡が、ちょうど今日になって届きました。メーカー側からの説明によると、故障した詳しい原因は結局、判明しなかったそうです。ただし、デジタルスレーブストロボの電気回路は、アルカリ電池用に設計されており、水素ニッケル電池やリチウム電池を使用すれば回路に負担がかかることが考えられるとのことです。そう言えば私は水素ニッケル電池を使ってきました。何といっても電池の持ちがアルカリよりか格段にいいからで、しかも充電式のほうが経済的です。チャージも速いです。
 アルカリ電池を使うとなると、実用的には問題が生じてきますが、使えないわけではありません。私の場合は使用頻度が高過ぎるのでしょう。

 スレーブストロボと言えば、サンパックから今月末に新製品が出ているはずです。このストロボには私も期待していますが、仕様を見る限り水素ニッケル電池も使えるはずです。

 
 日々更新が、一週間おきの更新となりますが、来年4月からは宮崎県三股町での新「昆虫ある記」を始める予定です。是非、御期待ください。


  なお、新開への連絡は、yamakamasu@shinkai.info  まで。

                            新開 孝
 
新開 孝

クヌギカメムシふたたび 2006/11/30(その1)
 「日本原色カメムシ図鑑」によると、クヌギカメムシは東日本において、ヘラクヌギカメムシやサジクヌギカメムシの2種よりかはるかに少ない、と記述がある。
専門家の方からも直接、クヌギカメムシは関東では少ないと聞いている。

 さて、私の住んでいる清瀬市や近所の所沢市などの雑木林では、たしかにクヌギカメムシは数が少なく、ヘラクヌギカメムシのほうが圧倒的に多いことを実感している。
 ところが以前から気になっていたのだが、さいたま市の秋が瀬公園では、毎春、多数のクヌギカメムシであろう幼虫を観察している。もしかしたら秋が瀬公園では、クヌギカメムシが多いのではないだろうか?
 幼虫の姿だけでクヌギカメムシと断定するにはいささか不安もあったから、ほんとうにクヌギカメムシが多いのかどうか見極めるために、秋が瀬公園にまで出掛けて、今日は成虫を観察してみることにしてみた。

 結論から言えば、まず秋が瀬公園では、多数のクヌギカメムシを見る事が出来た。そのほとんどがメスであり、クヌギの幹で産卵しているものが多かった(写真)。オスは1匹だけいた。しかも私が今日見た範囲では、全てがクヌギカメムシであり、ヘラクヌギカメムシは全くいなかったのである。
 これで秋が瀬公園にクヌギカメムシが多産することは間違いない、と言い切れる。

 そこでクヌギカメムシとヘラクヌギカメムシの2種の間にはどういう関係があるのだろうか?とあらためて疑問が湧く。
 生態も形態も非常に酷似した両種は、本来その生息域をすみわけているのではないか?そんな仮説が成り立つような気がする。
 両種の詳しい分布データがあれば、そういう仮説の検証もできるのだろう。

(E-330  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)

 クヌギカメムシという昆虫はいかにもマイナーであり、これまで昆虫写真家の大御所の方々にはほとんど相手にされてこなかったようだ。いやクヌギカメムシに限らず、カメムシというグループそのものが、マイナーとされているのだ。
 昆虫と言えば、チョウ、カブトムシ、クワガタムシ、トンボ、カミキリムシ、セミ、ホタル、バッタあたりが世間で認知されたグループであろう。それ以外の昆虫となると、世間でも少数派の虫好きの方でさえ、「雑虫」という扱いをする。そういうなかで、商売にはならない「雑虫」をよく相手にする昆虫写真家というのは、私くらいかもしれない。
 私はしかし、マイナーであるとか、世間に知名度が高く人気があるからとか、そういう尺度で、撮影対象の昆虫を選ぶ事はあまりない。「雑虫」か否かは、判断基準とならない。もちろん全く意識しないかといえば、それは嘘になる。当たり前だが、やはり売れる写真はきちんとおさえなければ、この仕事は続かない。

 ただし、昆虫写真家としての私なりの姿勢はある。
 それはさまざまな昆虫の魅力を自分なりに発見できたとき、その発見の感動に素直に従う、という姿勢である。これはじつに簡単なことのようだが、実践するにはそれなりの心構えと、戦略めいたやりくりが必要とされる。世間の仕事の需要にきっちり応えていくのと同時に、写真家という肩書きには各々の個性が強く要求もされるのである。
 
 新開 孝

クヌギカメムシとヘラクヌギカメムシ 2006/11/29
 先日も紹介したが、クヌギカメムシ科の4種のうち、清瀬市など武蔵野の平地で普通に見られるのがクヌギカメムシとヘラクヌギカメムシの2種類。

 クヌギカメムシは近年数が減っているが、今日は近くの雑木林で一匹のメスを見つけた(写真上)。同じ林で、ヘラクヌギカメムシの方はメスを4匹見ているから、やはりクヌギカメムシは少ないようだ。

 さて、ヘラクヌギカメムシ(左)とクヌギカメムシ(右)を並べて撮影してみた。両種の区別は難しいとこれまで何度も書いてきた。しかし今日の個体は並べてみるとかなり形態の違いがわかる。もちろん個体差もあるから、いつもこうしてうまく見分けられるとは限らないだろうが、この写真を見て両種の特徴をしっかりと覚えておけば参考になるだろう。
 ちなみにクヌギカメムシのメスの腹部気門が見える写真(写真下)も載せておいた。腹部をきっちりと観察しておけば、さらに確実な区別ができる。

(E-500   マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

昆虫3種 2006/11/28
 厚い雲がどんよりと空を覆った、暗い一日だったが、少しだけ中里の雑木林を歩いてみた。

 遊歩道のロープ柵の杭に止まっていたのは、ウスミドリナミシャク(写真上)で、とても新鮮な個体。
 前脚をL字型に構えているところがなんとも奇妙に思える。本種の幼虫はイヌマキにつき、年に6回程度発生するらしい。図鑑によれば蛹越冬、とあるので、今頃の成虫はこれから産卵するのだろうか?

 暗い林内をクロスジフユエダシャクの雄(写真中)が低く舞っていた。とうとう冬尺蛾の登場する季節になった。今日見た雄は2匹。

 カラスウリの葉うらでは、まだトホシテントウの幼虫が葉っぱをかじっている(写真下)。画面右の幼虫は、あらかじめ描いたミシン線の円周内を食べているところ。画面左の幼虫は脱皮を終えて休んでいる。

(EOSキッスデジタルN   シグマ50ミリマクロ)新開 孝
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