| 私が愛媛県、松山市に生まれたことはプロフィールにも書いてあるとおりで, 地元の大学を卒業してからも半年間ほどは松山にいたので、(さらに一浪もしているので)24年間はその生まれ故郷でずっと生活していたことになる。
さて、年に数回、松山の実家からいろいろな食材の宅配便が届くが、今夜は実家の畑で採れた里芋などとともに、私のリクエストで写真の「削りぶし」「磯じまん」「おでんみそ」を久しぶりに加えてもらった。
「削りぶし」はいわゆる「花かつお」で、これは出汁として調理に使うのではなく、冷や奴にのせたり、熱々のご飯にのっけて食べるときのもので、醤油を垂らせば、もうそれだけで立派なおかずの一品となる。この削りぶしの味わいをどうしても東京では見出せず、幼い頃から松山で食べ親しんだ味に落ち着く。 また海苔の佃煮も「磯じまん」でしかあり得ず、おでんの辛しは、辛しではなく「辛しみそ」でないとダメなのである。こういうローカルな味はすっかり体に染み込んでしまっており、やはり私はどこまでも関西の人間なのであろう、と思うしかない。四国は関西のなかでもまた異質かな?
ならばどうして新居の先が松山でなく、宮崎なのか?という質問はすでに多く耳にしている。それは当然のことだが、宮崎に新しい仕事場を選んだ理由を説明するには少し長くなるので、またの機会ということで、ここではとりあえず割愛しておこう。 ただ、こういった食へのこだわりからも、私が東日本以北で永く暮らすという可能性が薄かったのだけは確かである。
(E-330 ズイコーデジタル14-54ミリズーム)
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